建具

2011年9月 7日 (水)

建具(12)

 

 現場に搬入された建具が鍋谷さんによって次々に取り付けられていきます。既に塗装が済んでいますので安心して作業を見学させていただきました。建具は既製品と違い、建具枠に合わせて、現場で微調整していきます。建具屋さんは鉋(かんな)を使って、建具枠に合わせて、建具を削ってピッタリ合うように調整していきます。一番苦労したのが、土間の靴箱の扉で、ガードレールを土間タイルに取り付けるのですが、タイルが固い。何本もドリルがいかれてしまったようです。ダントーのタイルは、皆さんからかなり固いと評判が・・・!でもその分緻密な良いタイルなのだと確信しました。建具が取り付くと室内の雰囲気が一変し、家の完成に近づいた感じがしました。

 建具屋さんの作業をしているうちに是非とも調整方法を教えてもらうことを忘れないでください。近頃の木製建具の多くは、左右、前後に、ものによっては上下にと、調整できるようになっており、軽微な狂いは、簡単に素人にも対応できるようになっています。建具はどうしても湿気や暑さ寒さで狂ってきます。建具屋さんに手間を取らせないように簡単な調整方法はマスターすることをお勧めします。

 今回建具を鍋谷さんにお願いしたのですが、本当に建具を入れてよかったと感じます。何よりも家の雰囲気が良いのです。既製品ではこのような質感はやはり無理です。建具はコスト削減する場合、常に第一候補になってしまいますが、是非とも建具にも予算を割くことをお勧めします。

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建具が搬入されました。既にシッケンズの塗装、蜜蝋ワックス塗りは済んでいます。

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シナ合板のフラッシュドアです。上部にフュージョンガラスが組み込まれています。

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障子の建て込みを行っています。微調整が大切です。

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きちんとはまりました。


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2011年9月 6日 (火)

建具(11)障子

 障子の一番問題なのは紙が日焼けして色あせてしまうことではないでしょうか?これを避ける方法は引き込み障子の採用です。田村さんの設計ではほとんどが引き込み障子が採用されています。引き込み障子とは、引き戸を窓面に残すのではなく壁の中などに引き込んでしまうタイプです。

 障子は一般的に半分しか開くことができません。せっかく開口部を広くして太陽光線を引き入れようとしても、障子のおかげで遮られてしまいます。しかしこうなる理由は、通常は、サッシがついている部分の柱間に障子を入れているからです。障子の敷居・鴨居を柱間ではなく、柱よりも室内側に出っ張らせ、さらに窓の左右の壁部分にまで伸ばして、障子を壁位置に引き込むようにする。こうすると障子が全開できます。そうすることで、窓部を全部解放でき空間的な広がりが感じられます。

 さらに、障子を使わない時には壁の内側に引き込むので、紙が窓面からの光に当たることなく紫外線による紙の劣化が防げます。これにより日焼けの問題もかなり避けることができます。今後いつ張り替えをするかわかりませんが、数年はもつのではないかと期待しています。


 確かに障子の張り替えは大変ですが、子供のころ古くなった障子紙を破るのはとても面白かった記憶があります。貼り替わった新しい障子紙の白さは気持ちの良く、新年をむかえる準備がそれだけでできたような気持ちになりました。本当はその様な風情を楽しむ余裕ある生活が病める現在人には必要なのかもしれません。

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2011年9月 5日 (月)

建具(10)障子

 障子の良さばかり強調してきましたが、ディメリットもやはりあります。なければもっと障子が採用されているわけですが、今の新築ではあまり障子は使われません。

 それはなんといっても障子紙の貼り替え作業があるためでしょう。しかし、最近では貼る障子紙も多様化し、従来の手漉き障子紙から破れ難いプラスチック入り障子紙まで、その用途も多彩になってきています。プラスチック入り障子紙はワーロンシートと呼ばれ、薄いプラスチック下敷きのような感じです。塩化ビニールに挟まれた中には、和紙が入っていますので、見た目の風合いが、本物の障子紙に近い素材です。よく和風の照明器具の傘などにも使わています。しかし、これは確かに破れ難くく長持ちしますが、従来の障子紙の持つ空気の通過性や吸湿性は望めません。その他にも、アイロン障子紙、破れにくい障子紙、消臭障子紙、難燃障子紙などの障子紙があります。用途に応じて選ぶと、張り替え作業が少なくて済むと思います。

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2011年9月 2日 (金)

建具(9)障子

 そして最後は住んでいて特に感じるのですが、断熱性能が良いということです。とにかく、障子は冬は暖かく、夏は涼しいです。これは、はっきり体感できます。冬に障子を開けると、断熱サッシがしっかりしまっていても冷気がサーッとやってきます。障子を利用することで窓からの熱損失をかなり抑えるいることが体感できます。また、夏も熱気をかなり遮断してくれており、かなり涼しさにも役立っています。

 特にHファミリーの家は開口部がかなりあるので窓の断熱は重要となりますが、障子によりかなり改善されていると思われます。障子は木と紙とでできているので、実は断熱性はガラス窓(1重)より高いのです。また障子を閉めると窓ガラスからの空気が室内に入らないので相乗効果が得られます。

 カーテンやブラインドは、通常の使い方では断熱や気密は低いです。通常はカーテン上部と下部とに隙間があるので、室内の暖気が上からカーテンと窓との間に入り、窓で冷やされた冷気がカーテンの下から出てくるクールドラフト現象が起きます。これを防ぐには、カーテン上部にカーテンボックスを取り付けたり、カーテンの裾を床に引きずるようにしなくてはいけません。そうゆう意味で障子の方が良いのですが、問題はコスト・・・・・。Hファミリーでは南面である家の前面を掃出し窓を障子、それとダイニングと土間の間仕切りを障子としました。それ以外はロールカーテンにし、唯一土間空間に和紙風のプリーツカーテンを採用しました。掃出し窓部にはカーテンボックスも取り付けてあります。

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2011年9月 1日 (木)

建具(8)障子

 障子は感覚的だけでなく機能的にも素晴らしい特徴を持っています。

1.軽いこと:引き戸にとって重要な条件で、子供でも簡単に開閉可能です。
2.取り外し可能:開放性と融通性があります。
3.永年にわたり利用可能:紙さえ貼り替えれば、決してみすぼらしくなることはない。
4.通気性・吸湿性:和紙を使った障子紙は、多孔性のため空気を自由に通し通気性があります。また、和紙は吸湿性もあるため、室内に湿気がこもることをふせぎます。
5.効果的採光:和紙の光の透過率は40~50%なので、直射日光を半分遮り、半分透過させます。そのため、日当たりの明るさを残しながら日光を遮るといった優れた特性があります。また、光が拡散され、非常に柔らかく均一の光を室内に与えてくれます。また夜間には、和紙に照明が反射し照明効果を高めます。

カーテンやブラインドではなかなかそうはいきません。

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2011年8月31日 (水)

建具(7)障子

 障子は妻が絶対譲れないものとして最初から優先順位が高い建具でした。特に、田村さん設計の「広縁の家」を見学した際の印象が大きかったと思います。障子は、日本の家を特徴付ける非常に優秀な建具です。

 障子の良さはなんといっても日本人の美的感覚にマッチした建具であること。障子は室内外の美しさを光を通して演出し、格子のデザインにより均整の取れた直線の美しさを感じさせてくれます。特に、夜に外から見た照明に映し出された障子は何とも言えない美しさと温かさががあります。やはり、日本の家は障子の方がカーテンより美しいと断言できます。また、光を通すので、部屋を障子で仕切ったとしても、間接的に気配を感じ取ることができます。この微妙な間仕切り装置は、西洋とは全く違う日本独特のものではないでしょうか?

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2011年8月30日 (火)

建具(6)

 最初の田村さんの計画では収納にはほとんど扉がありませんでした。しかし、見せる収納ほど難しいものはなく、Hファミリーでは見せる収納は無理ということで、かなりの収納部分に扉を付けてもらいました。しかし、扉は建具なので予算の問題があります。予算内でできる範囲で扉を付けました。

 見せる収納は確かにセンスが必要です。そして何よりも整理整頓ができないと飛散な目になります。しかし、整理できさえすれば何所に何があるのかは一目瞭然であり、非常に便利になります。見せない収納は確かに便利ですが、整理整頓ができていないのでその点不便な面もあります。見せる収納と見せない収納は施主さんの性格に大きく依存するかと思います。バランスよく見せる収納と見せない収納を組み合わせることが良いのですが・・・。なかなか難しい問題です。

 キッチンや水回りの扉は水が飛ぶためポリ合板を使用しました。半年たちますがそれほど大きな汚れはありません。

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キッチンの収納です。白い扉がポリ合板を用いた建具になります。


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2011年8月29日 (月)

建具(5)

 各部屋の出入口のシナ合板フラッシュドアはすべて引き戸とし、さらに吊り戸タイプにしました。吊り戸にすると足元からレールが無くなり、完璧なバリアフリーとなります。ドアの開け閉めは少し不安定になりますが、完全バリアーフリーを考えている方は一考に値します。

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吊り戸の金具が取り付いた所です。

 

 トイレと脱衣所のフラッシュドアには明かりが灯っているかどうかチェックするためにガラスをはめ込んでもらいました。田村さんの施主さんは群馬の榛名ガラスさんで手作りのガラスを使っていますが、Hファミリーでは工房まほろばのフュージングガラスを使用しました。
市販品ですが、手作りのガラスで、比較的安価で手に入れることができます。これを事前に購入しておき、鍋谷さんに取り付けてもらいました。

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2011年8月26日 (金)

建具(4)

 フラッシュドアは 芯材と表面材を接着剤で接合するので、自然素材にこだわる人は接着剤の種類も大切です。フラッシュに よく使われる接着剤としては、
1.酢酸ビニル系接着剤 (酢ビ・白ボンド)
2.クロロプレン系合成ゴム溶剤型接着剤(ゴム糊・速乾)
3.尿素系接着剤
などがあります。

 酢酸ビニル系接着剤は、木質系の材の接着には、必要かつ十分な強度が得られます。また、取り扱いを含めた作業性も良好で、通常のフラッシュの表面材を貼る場合に 最も適した接着剤だと言えます。ただしプロの使う酢酸ビニル系接着材は、市販の木工用ボンドと違って成分の割合、粘度、加圧時間、養生時間など様々な差異や特徴があるようです。また、安全性にも優れた接着剤であることも見逃せません。

 クロロプレン系合成ゴム溶剤型接着剤は、強靭で耐油性・耐老化性がよい特徴をもちます。酢酸ビニル系接着剤では不可能な非木質系材(例えば メラミン化粧板・金属板など)の接着が可能です。クロロプレン系合成ゴム溶剤型接着剤を取り扱う場合には、溶剤を使用しているので、火気に注意するとともに、作業中の換気にも十分気を配る必要があります。

 尿素系接着剤は尿素とホルムアルデヒドとの縮合によって得られます。着色が自由でかつ安価であるのが特徴です。

 接着剤には色々な種類がありますが、安全性を考えると酢酸ビニル系接着剤が最も良いように思います。建材等の安全性に注意を払う人は多いのですが、接着剤にも是非とも注意を払うようにしてください。

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2011年8月25日 (木)

建具(3)

 ヒバのドア以外の建具はフラッシュと障子です。フラッシュとは骨組の表面に合板などを貼って、平らに仕上げたドアのことを言います。したがって、ドアの中身は中空(空っぽ)で、そのため軽量で安価なため、非常に良く使われます。

 フラッシュの合板にはシナ合板を用いたものと、キッチンでの収納扉はポリ合板を張りました。シナ合板は非常にきめ細かく綺麗な木目で、サンドペーパー1回できれいに研磨でき、作業が楽で仕上がりも良い合板です。自然素材の室内ドアでは非常に良く使われています。シナ合板と言うと中国で作られた合板と勘違いしている人がいますが、シナ合板とはシナの木の表面を削って、ベニアの上に貼り付けたものです。

 ポリ合板は化粧紙と合板等を貼り合わせた上にポリエステル樹脂を塗布し、フィルムをかけてロールで樹脂を延ばして硬化させたものです。表面強度は高級システムキッチンの面材でよく使われるメラミン化粧板には及びませんが、コストパフォーマンスに優れた良い材料と言えます。

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